2011年の Gaudi
2012/12/21 作成
2021/05/06 更新
このページの内容は、旧ホームページ「とのちのオーディオルーム」からの転載ですが、重複部分の削除など一部編集しています。
2011年現在の Gaudi は3ウェイ・マルチアンプ・システムとなっていて、当初の目標(ブロック図)に近い内容になっていますが、次の2点が目標に達していません。
- ミッドレンジがホーン型ではなく、フルレンジ・ユニット(フォステックス6N-FE88ES)を使用している。
- ミッドレンジ用アンプが自作ではない。
ミッドレンジはシステム全体の音質を大きく左右しますので、いつかアップグレードをしたいと思っていますが、なかなか予算を確保できません。一方で、チャンネル・デバイダー(CD-211)のスイッチ操作で、ミッドレンジをフルレンジに切り替えて、シングルアンプで聴けるようになっているので、BGMなどを気軽に楽しみたいときに便利です。当分今の状態が続きそうです。
[ブロック図]
フルレンジと3ウェイで音調・音色を比較すると、両者はよく似ています。やはり6N-FE88ESの影響力が大きいためと思われます。もちろん、3ウェイの方が音質的に優れています。低域、高域ともに帯域が広がり、音の情報量が格段に増えます。音像もくっきりし、定位も正確になります。
ただ、情報量が多すぎると感じることもあります。例えば、ハーモニカの演奏(CD、崎元譲、ハーモニカの芸術、CAMERATA 30CM-482)を聴くと、3ウェイでは、フルレンジではあまりよく聞こえない息継ぎの音がはっきり聞こえ、少し気になったりします。ビル・エヴァンスのライブ録音、ワルツ・フォー・デビー(LP,
Bill Evans Trio, Waltz for Debby, Analog Productions APJ009)を聴いても、背景音がかなり聞こえてきて、少し騒がしいと感じたりします。
6N-FE88ES は、フルレンジ・ユニットとしてはなかなか優秀だと思います。定格入力はわずか4Wですが、意外に大音量でも歪っぽくなりません。さすがに低音は不足しますが、充分音楽を楽しめる音です。
2004年にCD-211を製作して以来、Gaudiにあまり大きな改良をしていませんでしたが、ケーブルとインシュレーターを中心に小さな改良を積み重ねています。面白いことに、改良すればするほど、アナログ盤が、CDに較べ、より魅力的になってきています。Gaudiでのメディアを音質の高い順に並べると、アナログ盤 > SACD > CD > カセット > FM の順になります。アナログ盤が最高です。FMが最下位なのは、現在電波の状態が悪いためです。SACDはオーディオファイルのあいだでも必ずしも評価が高くないようですが、Gaudiで聴く限り、CDよりも高音質に聞こえます。
私は決して懐古趣味ではないのですが、それでもアナログ盤が一番高音質に聞こえるので仕方がありません。今もアナログ盤の収集を進めています。古いレコードも大切にしますが、やはり最近のHQディスクが魅力的です。日本ではなかなか手に入らないので、アメリカの業者から個人輸入しています。
最近入手して気に入っているのは、ソニー・クラークのクール・ストラッティン(LP, Sonny Clark, Cool Struttin', Blue Note BST81588)やエデン・アトウッドのWaves(LP, Eden Atwood, Waves - The Bossa Nova Sessions, Grove Note GRV1012)、ジョシュア・レッドマンのMood Swing(LP, Joshua Redman, Mood Swing, Nonesuch 45643)などです。
我が家に来客があるたびにGaudiを聴いてもらっていますが、評判はおおむね良好です。中にはお世辞を言う人もいますが、お世辞かどうかは聴いているときの表情でわかります。一般的に、女性の方が耳が良く、感じたことをズバリ口にしますので、女性の意見・感想を特に尊重しています。
アナログ盤の音は若者にもアピールするようです。聴かせてあげると、喜ばれます。中には、目をキラキラ輝かせながら聴いてくれる人もいます。アナログ盤の文化はもっと若者に伝えていくべきだと思います。
コンポーネント一覧
種類 | 機種 | 特徴 | 説明 |
---|---|---|---|
ADP | NOBODY PS-104 | ●ターンテーブル: SONY TTS-8000 ●トーンアーム: GRACE G-1040 ●カートリッジ: GRACE F-14MR |
1982年に製作して以来、大きな変更なしに使い続けているプレーヤー。今後も故障しないかぎり使い続ける予定。 |
DAP | SONY SCD-555ES | SACD/CDプレーヤー | 第一世代SACDプレーヤー。CD再生にも力を入れている。デジタル・フィルターの特性を切り替えられる等、機能面が充実している。2001年購入。 |
DAP | PIONEER BDP-330 | BDプレーヤー | 2010年に\18,000で買ったBDプレーヤー。音質は予想していたよりも良い。 |
チューナー | SONY ST-S333ESJ | 高機能FM/AMチューナー | 様々な付加機能を持っているが、基本機能以外は使ったことがない。FM電波はケーブルTV局から供給されているが、受信レベルが低く、音質は今一つ。 |
テープ・デッキ | AIWA EXCELIA XK-007 | 1ウェイ・3ヘッド、スタビライザー付きカセット・テープ・デッキ | 非常に忠実度の高い音がする隠れた名機。動作も安定している。1989年4月に購入して以来、一度ベルトを交換したのみで、他には一切トラブルなし。 プリアンプPA-210にREC出力がないので、現在は再生のみに使用。 |
プリアンプ | NOBODY PA-210 Simplicity | 管球式プリアンプ 全段SRPP回路採用。CR型EQ段+無帰還フラット段。 電源部別ケース。 |
2001~2003年にかけて製作。徹底的なシンプルさとローノイズを追求した管球プリ。 |
チャンデバ | NOBODY CD-211 A-NET | ソリッド・ステート 3ウェイ・チャンネル・ディバイダー |
NOBODYで初めてOPアンプを採用したモデル。2004年製作。 クロスオーバー: 720Hz(18dB/oct), 7200Hz(18dB/oct) |
ツィーター・アンプ | NOBODY MA-208 | 管球式パワーアンプ 6BQ5 UL PP |
ホーン・ツィーター用アンプとして設計。1999年製作。 位相反転段はP-K分割式。電源に整流管を使用。 定格出力:13W+13W |
ミッドレンジ・アンプ | Flying Mole DAD-M100pro HT |
モノラルD級パワーアンプ | ミッドレンジ/フルレンジ用に使用。管球アンプ的な温かみのあるサウンドが特徴。 定格出力:100W(8ohm) |
ウーファー・アンプ | NOBODY MA-201C | 管球式パワーアンプ 6CA7 UL PP |
1974年製作のNOBODYブランド第1号機。現在はRev. C。ウーファー用アンプとして使用。 定格出力: 30W+30W |
スピーカー | NOBODY SS-309 | 3ウェイ・スピーカー・システム ●ツィーター: フォステックス T925 ●ミッドレンジ/フルレンジ: フォステックス 6N-FE88ES ●ウーファー: フォステックス FW305 |
30cmウーファーを基本にした3ウェイ・スピーカー。マルチアンプを前提としているので、ネットワーク、アッテネーターは内蔵していない。2001年製作。 ウーファーとミッドレンジの箱は独立している。どちらもリア・ダクト・バスレフ方式。 |
テレビ | Victor LT-37H905 | 37型液晶テレビ | 薄型テレビとしては非常に音質が良いが、BD/DVDで映画を鑑賞する時には、音声をGaudiで再生している。 |
フォノ・ケーブル | PS-104 -> PA-210 | GRACE純正ケーブル | 6N銅線を使用した低容量ケーブル。アーム付属ケーブルと外観がほぼ同じ。音質差はよくわからず。 |
ライン・ケーブル | SCD-555ES -> PA-210 | 自作ケーブル ●線材: BELDEN 8412 ●プラグ: Teflon RCAプラグ |
マイクケーブル用2芯シールド線をラインケーブルに応用した自作ケーブル。 RCAプラグには、ノーブランドながら絶縁物にテフロンを使用したプラグを使用。 プラグの金属カバーは使用せず、代わりに熱収縮チューブをかぶせている。 |
ライン・ケーブル | PA-210 -> CD-211 | 自作ケーブル ●線材: BELDEN 8412 ●プラグ: Teflon RCAプラグ |
2芯シールド線を用いた自作ケーブル。片側はCD-211内部で半田付けされている。 |
ライン・ケーブル | CD-211 -> MA-208 | 自作ケーブル ●線材: BELDEN 8412 ●プラグ: モガミ電線 7551(一部) |
マイクケーブル用2芯シールド線をラインケーブルに応用した自作ケーブル。片側はCD-211内部で半田付けされている。 CD-211製作時(2004年)は線材にオーディオテクニカAT6A48を使用していたが、2008年にBELDENに変更。明らかにBELDENの方が高音質。 プラグの金属カバーを使わず、熱収縮チューブで代用。 |
ライン・ケーブル | CD-211 -> DAD-M100pro | 自作ケーブル ●線材:BELDEN 8412 ●プラグ: Teflon RCAプラグ |
(同上) |
ライン・ケーブル | CD-211 -> MA-201C | 自作ケーブル ●線材:BELDEN 8412 ●プラグ: Teflon RCAプラグ |
(同上) |
SPケーブル | MA-208 -> SS-309 ツィーター | 自作ケーブル ●線材: 47研究所 STRATOS ●プラグ: なし |
0.4mm銅単線を30cmピッチで寄り合わせた自作ケーブル。 MA-208側は端子に半田付け。スピーカー側は銀半田でメッキ。 |
SPケーブル | DAD-M100pro -> SS-309 ミッドレンジ | 自作ケーブル ●線材: 47研究所 STRATOS ●プラグ: 計測器用バナナ・プラグ |
0.4mm銅単線を30cmピッチで寄り合わせた自作ケーブル。 DAD-M100pro側は計測器用バナナ・プラグを使用。スピーカー側は直接ユニットの端子に半田付け。 |
SPケーブル | MA-201C -> SS-309 ウーファー | 自作ケーブル ●線材: 47研究所 STRATOS ●プラグ: なし |
0.6mm銅単線を30cmピッチで寄り合わせた自作ケーブル。 MA-201C側は端子に半田付け。スピーカー側は直接ユニットの端子に半田付け。 |
部屋 | 洋室、15畳相当。リビング兼リスニング・ルーム。 | 防音性能はまずまず。深夜でも音楽鑑賞可能。 中高音域に関してはややライブで、低音に関してはややデッド。勾配天井のため、定在波はほとんどなし。 オーディオ用電源あり。100Vおよび200V。コンセントはホスピタル・グレード。 |