Gaudi Rev.2.1
2022/03/16 作成
2022/10/24 更新
システム設計 Ver.2.1 に基づいて、Gaudi Rev.2.03 に変更を加えました。(2021年9月)
DAP を PCオーディオに置き換えました。システムの機能を拡張する大きな変更なので、レビジョンをRev.2.1に引き上げました。
プリアンプ、パワーアンプは、旧Gaudiシステム(Ver.1)用のものを依然として流用しています。
構成
システム設計Ver.2.1に従い、DAP(Digital Audio Player)を、ソニーHAP-Z1ES から PCオーディオに置き換えました。
PCオーディオは、ファンレスPC(オリオスペック canarino Fils9)とDAC(ティアック UD-301-SP/S) を中心としたサブシステムです。Gaudi
II をAVシステムに発展させるための重要コンポーネントです。
PCオーディオは、音楽再生のみならず、動画などのビジュアル系ソースの再生にも用います。さらに、オシロスコープなどの測定器機能も持たせます。
ヘッドホンを用いれば、PCオーディオ単独で音楽や動画を視聴できます。
PCオーディオに関しては2004年から検討を続けてきましたが、音質と利便性を両立することが難しく、なかなか実現しませんでした。最近サブシステム
Kinglet で満足のいく結果を得たので、今度こそとの思いでPCオーディオの導入に力を注ぎ、半年がかりでようやく実現しました。
詳しくは、補足資料「PCオーディオの導入」をご覧ください。
元々の計画では、Rev.2.0でアンプ類をすべて造り替える予定でしたが、それは先送りしました。アンプ類は音質でも機能でもシステム全体に与える影響度は低いので、古いアンプのままでもレビジョンをRev.2.1に引き上げました。
BDプレーヤーのパイオニアBDP-330はシステムから除外しました。STBの Technicolor BD-V570 はPCとの連動が不安定だったので、ケーブルテレビ業者に依頼して、Panasonic
TZ-LT1500BW に替えてもらいました。
配置
コンポーネント配置は右図の通りです(クリックすると拡大されます)。
PCはオーディオ機器よりはるかに多量の不要輻射を発生するので、アナログ機器への影響を減らすため、オーディオ・ラック(AR-416)の最下段に配置しました。周辺機器をその上の段に配置しました。
チャンネル・デバイダー(CD-211B)とMCヘッドアンプ(HA-213)はDAR(MR-2000S)の上に置きました。CD-211BとHA-213は他機器の上に置くように設計されていないので、本当は好ましくない配置なのですが、近い将来チャンデバを入れ替えるつもりなので、それまでこの配置で使います。
キーボード/マウスは小さく、低いテーブルに置き、聴取位置近くに配置することにしました。音響歪を防ぎつつ、操作性を確保する狙いです。
システム全体の配置は下図の通りです。キーボード/マウス用の小テーブルを追加したこと以外、V2.03と同じです。
システムレベル・チューニングがまだできていないので、スピーカーの位置は暫定的です。
接続
使用ケーブルは下表のとおりです。
DAC ⇒ プリアンプ間のラインケーブルに、シールド付きクアッドコア線を初めて採用しました。
接続機器 | 線材 | 長さ | 送信側コネクター | 受信側コネクター | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ADP ⇒ MCヘッドアンプ |
低容量1芯シールド線 | 1.5m | RCAプラグ | RCAプラグ | SL-1200GRに付属のケーブル アース線を一緒に束ねて使用 ステレオ・ペア |
MCヘッドアンプ ⇒ プリアンプ |
OFC 2芯シールド線 BELDEN 8412 |
1.5m | RCAプラグ テフロン絶縁材使用 網線ーGND接続 |
RCAプラグ テフロン絶縁材使用 |
不平衡型 ステレオ・ペア |
DAC ⇒ プリアンプ | 4芯シールド線 カナレ電気 L-4E6S |
1.5m | RCAプラグ カナレ電気 F-10 網線ー未接続 |
RCAプラグ カナレ電気 F-10 網線ーGND接続 |
不平衡型 ステレオ・ペア |
プリアンプ ⇒ DAR | OFC 2芯シールド線 BELDEN 8412 |
3m | RCAプラグ テフロン絶縁材使用 網線ー未接続 |
RCAプラグ テフロン絶縁材使用 網線ーGND接続 |
不平衡型 ステレオ・ペア |
DAR ⇒ プリアンプ | OFC 2芯シールド線 NEGLEX 2549 |
3m | RCAプラグ Neutrik NYS373-0 網線ー未接続 |
RCAプラグ Neutrik NYS373-0 網線ーGND接続 |
不平衡型 ステレオ・ペア |
プリアンプ ⇒ チャンデバ |
OFC 2芯シールド線 BELDEN 8412 |
1m | RCAプラグ テフロン絶縁材使用 |
はんだ付け 網線ーGND接続 |
不平衡型 ステレオ・ペア |
チャンデバ ⇒ ツィーター・アンプ |
OFC 2芯シールド線 BELDEN 8412 |
3m | はんだ付け 網線ーGND接続 |
RCAプラグ テフロン絶縁材使用 |
不平衡型 ステレオ・ペア |
チャンデバ ⇒ スコーカー・アンプ |
OFC 2芯シールド線 NEGLEX 2549 |
3m | はんだ付け | RCAプラグ Neutrik NYS373-0 網線ーGND接続 |
不平衡型 ステレオ・ペア |
チャンデバ ⇒ ウーファー・アンプ |
OFC 2芯シールド線 NEGLEX 2549 |
3m | はんだ付け 網線ーGND接続 |
RCAプラグ Neutrik NYS373-0 |
不平衡型 モノラル x2 |
ツィーター・アンプ ⇒ ツィーター |
OFC 平行線 オーディオテクニカ AT365S |
2.8m | はんだ付け | プラグ無し チタンオイル塗布 |
|
スコーカー・アンプ ⇒ スコーカー |
OFC 平行線 オーディオテクニカ AT365S |
2.8m | はんだ付け | プラグ無し チタンオイル塗布 |
|
ウーファー・アンプ ⇒ ウーファー |
0.65mm タフピッチ銅 単線 47研究所 Stratos |
1.8m | プラグ無し チタンオイル塗布 |
はんだ付け | ケーブル長はアンプの端子から ウーファーの端子までの長さ 30cmピッチでツイスト |
今までは、ケーブル類を、図面も作成せず、部品の選定にも時間をかけず、いい加減に製作していました。しかし、それでは問題が発生しても不思議ではありません。実際に、ケーブルに関連したトラブルがいくつか発生しました。
今後は、ケーブルを製作する時には、きちんと設計し、図面を描いてから製作するようにします。
その第1弾として、DAC ⇒ プリアンプ間のラインケーブルを、きちんと設計した上で製作しました。
ラインケーブル用に選んだ線材は、カナレ電気の L-4E6Sというシールド付きクアッドコア線です。SPケーブルにクアッドコア線(カナレ電気 4S6G)を使うことを既に決定してますが、ラインケーブルについても、クアッドコアを使うことにしました。雑音防止能力が高く、信号損失が少なく、加えて価格が安いからです。
RCAプラグには、カナレ電気 F-10 を選びました。Neutrik やトモカより低価格ですが、これといった弱点はなく、品質が高そうなので採用しました。
結果的に、ラインケーブルを大幅にコストダウンすることになりました。
BELDEN 8412: 734円 ⇒ NEGLEX 2549: 173円 ⇒ カナレ L-4E6S: 110円 (いずれも1m当たりの単価(税込)、私が実際に購入した値段)
ノーブランドRCAプラグ: 357円 ⇒ カナレ F-10: 310円 (いずれも私が実際に購入した値段(税込)、NYS373の価格は失念)
初めてちゃんと設計して製作したケーブル
外観にもこだわった
AC電源
右図にAC電源接続を示します(クリックすると拡大されます)。
PCオーディオのために、スイッチ付き3個口電源タップを追加しました。PC(canarino Fils9)の待機電力が大きいため、使用していない時には、電源タップのスイッチを切って待機電力をゼロとします。
このスイッチで、DACの電源もオン・オフします。
電源タップはPCの左側に置きます。電源タップのスイッチを操作する時に、自然にPCの電源スイッチと電源インジケーターが目に入ります。電源タップは、PCの陰になるので、聴取位置からは見えません。
R2.03と同様、200Vコンセントは使用していません。
音響
R2.03から変更していません。一部を除いて、Gaudi 時代に実施した対策を流用しています。
詳しくは、「Gaudi の問題点」のページをご覧ください。
自己評価
長年の懸案であったPCオーディオの導入をついに完了しました。
期待通り、機能性・操作性はこれ以上望めないというほど良好です。
音質面でも今まで使っていたソニーHAP-Z1ESをやや上回るぐらいに仕上げることができたので、とても満足しています。
しかし、アナログ・ディスクと較べると、音質面ではまだアナログ・ディスクが勝っているように聞こえます。
どうすればデジタルがアナログを超えられるのか、さらに探究するつもりです。
PCオーディオの評価の詳細については、補足資料「PCオーディオの導入」をご覧ください。