1976年の Gaudi
2012/12/21 作成
2021/04/25 更新
このページの内容は、旧ホームページ「とのちのオーディオルーム」からの転載ですが、重複部分の削除など一部編集しています。
小口径フルレンジ・ユニットで豊かな低音を実現する方法として、ポリスピーカーという方式があります。Gaudi の将来設計はマルチアンプ・システムでしたが、マルチアンプ化まではまだ当分時間がかかるので、それまでの間に合わせとして、ポリスピーカーを自作してみることにしました。
また、当時大流行していたFMエアチェックを自分もやってみたいと思い、FMチューナーとカセットデッキを購入しました。
スピーカー
このスピーカーは実験的な意味合いが濃かったので、NOBODYブランドとはしませんでした。従って型番はありません。
お気に入りのユニットであるフォステックス FE103 を新たに8本購入し、片側4本ずつ使用することにしました。ポリスピーカーとしては、ユニットを縦一列に配置するトーンゾイレがよく知られていますが、より積極的に指向性を広げるために、前面に3個、側面に1個のユニットを配置する構造にしました。
エンクロージャーの板材には21tラワン合板を用い、塗装は艶消し黒のスプレー・ラッカーにしました。
このスピーカーはまずまずの成功作でした。シングル・ユニットに較べ、低音はそこそこ出るし、能率と耐入力が上がり、大音量でへこたれなくなりました。反面、やや音像がぼやけるのと、高音が不足するという問題がありました。
その後対策として、ツィーターを追加して2ウェイとしました。ツィーターには、やはりお気に入りのユニットである、テクニクス 5HH17 を採用しました。このツィーターは2000円ぐらいで売られていましたが、コスト・パフォーマンスは抜群で、高級ツィーターに負けない音質でした。空芯コイルを用いたLCネットワークを使用し、fc(クロスオーバー周波数)は8000Hz、スロープは
-12dB/oct でした。
FMチューナーとカセットデッキ
この年、念願のFMチューナーとカセットデッキを手に入れました。
FMチューナーはテクニクス ST-3100 という機種です。質流れ品だったので、安く手に入れることができました。買った店は私が受験した大学のそばにありました。入学試験が終わった後、何の気なしにのぞいてみたら、ST-3100
が置いてあったのです。程度も良さそうだし、値段も安い。早速翌日、お金を持って買いに行きました。ちなみに受けた大学は落ちてしまいました。受験真っ最中の時期にも道楽のことを考えているようでは仕方ありませんね。
アンテナはパイオニアの2素子のFMアンテナを使用しました。住んでいるところが強電界の地域だったので、2素子でも受信状態は良好でした。
カセットデッキはチューナーと違ってメカ部分があるので、中古では不安があるので新品を買うことにしました。選んだのはパイオニア CT-3 という機種です。低価格帯の中では音質が良さそうと期待して買うことにしました。安い店を探して秋葉原中を歩き回りました。結局露店のような店で買いました。
このデッキは期待に反してトラブル続きでした。テープがラリる、わかめになる、といったことは日常茶飯事でした。何本大事なテープをオシャカにしたことか。使っているうちにテープとの相性がはっきりしていることがわかりました。一番動作が安定していたのは
MAXELL UD でした。そのことが判明した後は MAXELL UD のみを使うようになりました。
もともとラジオは大好きでしたが、エアチェックが可能になったので、さらによく聴くようになりました。それまであまり関心がなかったJ-POP(当時はニュー・ミュージックと呼ばれていた)を聴き始めたのはこの頃です。井上陽水、荒井由実、五輪真弓、アリス、オフコースなどのファンになりました。もっぱら録音したテープで聴いていましたが、よりよい音で聴きたくて、レコードに買い直したものもあります。例えば、井上陽水 「断絶」 (LP, Plydor MR-5013、初めて買ったJ-POPのレコード)、アリス 「アリスV」 (LP, Express ETP-72165)、オフコース 「SONG IS LOVE」 (LP, Express ETP-72212)などです。