PA-202

2010/12/26 作成
2021/12/03 更新

管球式ステレオ・プリアンプ

CR-NF型イコライザー、ラックス型トーン・コントロールを備えた本格的プリアンプ

特長 使用真空管:12AX7/ECC83 x6
回路方式:CR-NF型イコライザー、P-K帰還型フラット段、ラックス型トーン・コントロール
独立電源部
概略仕様 機能:セレクター、テープ・モニター、ボリューム、バランス、トーン・コントロール(左右独立調整)
入力:PHONO (MM) x2、LINE x2、MONITOR x1
出力:REC x1、PRE OUT x2
イコライザー仕様: ゲイン:36.5dB、入力インピーダンス: 50kΩ、最大入力:300mV
外形寸法 アンプ部:寸法:400(W) x 124(H) x 200(D) mm (突起物含まず)、重量:?kg
電源部:寸法:200(W) x ?(H) x 100(D) mm、重量:?kg
コスト 約4万円
履歴 1974年製作. 1980年廃棄.

以下の内容は、旧ホームページ「とのちのオーディオルーム」からコピーしたものです。用語の変更など一部編集しています。


コンセプト

マランツ#7を凌ぐ高級プリアンプ。
パワーアンプ MA-201 と組み合わせて使用することを前提に製作。


設計

回路設計

上杉佳郎氏の設計(文献-3、pp.33-43)をほとんどそのまま採用。異なる点は、ラックスのトランスは高価だったので、代わりにタンゴのパワーアンプ用電源トランスの中で最も安価なものを使用したことです。その結果、電源回路を若干変更しました。また、電源部は別ケースに実装することにしました。電源部とアンプ部は6芯のキャップタイヤ・ケーブルで接続することにしました。

オリジナルの回路を紛失してしまったため、上杉氏の回路図と自分の記憶をもとに、回路図を復元しました。図中、電源部とアンプ部が一体化して描かれていますが、その点が実物と異なっています。
[回路図(PA-202_Schematic.pdf)]

実装設計

上杉佳郎氏の設計を参考に設計しました。シンプルなアルミ製シャーシ(通常弁当箱シャーシ)を2個背中合わせで結合することによって、筐体を構成することが特徴です。この構造では、左右チャンネルを別のシャーシに実装することになるので、チャンネル・セパレーションの点で有利です。この構造は、その後のNOBODYアンプでも採用することになります。
上杉氏の設計と異なる点は、前述のように電源部を別筐体に実装したことです。


製作

MA-201同様、はんだ付けを丁寧に行いました。


自己評価

0点。
マイクロフォニック・ノイズを含め、あらゆる種類の雑音が聞こえてきました。特に、他の電気器具の電源オン・オフ時に拾うクリック・ノイズが深刻でした。また、近所のアマチュア無線局が送信する電波を、雑音として拾ってしまいました。アンプ内のどこかで検波されて、音声となって聞こえてきて、話の内容までわかるほどでした。

「マランツ#7を凌ぐ高級プリアンプ」というコンセプトからかけ離れてしまいましたが、このキャッチコピーは私が考えたものではなく、上杉氏の製作記事のキャッチコピーです。

このアンプの製作を通じ私の自信過剰は一気に消え去り、もっと勉強しないと、まともなアンプを造れないことを痛感しました。