Gaudi II の履歴

2017/12/16 作成
2023/01/25 更新

構想段階

Gaudi II(ガウディVer. 2.0) の検討は、2012年初頭にスタートしました。
Gaudi の音質には7~8割満足していましたが、さらなる音質向上のためには、システム設計を変更する必要があると考えました。

初期の構想では、Gaudi との相違点として、第一に真空管を使わないこと、第二に電源に2次電池を使うこと、第三に主なソースをデジタル・ソースとすること、第四にリモコンで操作できるようにすることを考えました。

2012年の構想

2012年当時の検討結果を下図に示します。
Gaudi II の構想1

PC用のマザーボードとサウンドカードを用いたコントロール・センターをプリアンプに置き換え、テキサス・インストルメンツ社のDSP評価ボードを利用してチャンデバ(チャンネル・デバイダー)を造るという、なかなか大胆な発想でした。つまり、コントロール・センターもチャンデバもデジタル化するということです。無線のキーボードとマウスをリモコン代わりに使うつもりでした。

私は現役時代はコンピューター技術者で、ファームウェア設計を得意にしていたので、このような構想を練りました。しかし、私の体力ではとても完成させられないシステムになってしまいました。

2015年の構想

Idea sketch of Gaudi II in 2015

実現性を上げるため、より Gaudi に近い構成にすることにしました。

プリアンプとチャンデバは一体化し、またツィーター・アンプとスコーカー・アンプを一体化することで、コンポーネント数を減らすことにしました。リモコンには、汎用の赤外線リモコンを用いることにしました。

フォノEQ、プリアンプ、ツィーター/スコーカー・アンプは電池電源を予定していました。





システム設計の完了と製作開始

2017年にさらに練り直した結果、システム設計は「Gaudi II システム設計」のページに示す通りのものとなりました。
この設計に従って製作を開始しました。ただし、システム全体を一時には変えられないので、Gaudiと同様に、コンポーネントを一つずつ置き換えていくことでシステム設計に近づけていきます。

設計は変更するごとにバージョンをVer.2.1、Ver.2.2、Ver.2.3と上げていき、設計の違いを管理します。
実際のシステムに対しては、設計変更よりも細かいステップで改良を施すので、変更をレビジョン番号で管理します。スタートはバージョン番号に合わせて Rev.2.0 です

Gaudi II (Rev.2.0) - 2017年6月

Gaudi Ver.2.00

四半世紀の長きにわたり製作を熱望していたオーディオ・ラックを、ようやく製作しました。型番は AR-416 Air(エア)です。
このラックは Gaudi II 用に設計しました。Gaudi II 用に設計・製作した最初のコンポーネントとなります。このラックの導入をもって、システムを Gaudi II と呼ぶことにしました。まだ Gaudi II のシステム設計には程遠いのですが、けじめをつけたくて、敢えて Gaudi II と呼ぶことにしました。

レコード・プレーヤーには、パイオニア PLX-1000 を採用しました。
自作プレーヤーの PS-104 が老朽化したため、メーカー製プレーヤーに替えようと調査したところ、PLX-1000が価格対性能比が高くて試してみる価値ありと思い、購入しました。
AR-416 の完成前から使い始めました。PS-104 に比べて、明らかに音質が上がりました。これは制振性能の違いだということがすぐに分かりました。

オーディオ・ラック AR-416 Air は当初は期待通りの性能ではなかったのですが、インシュレーターの追加により、レコード・プレーヤーに対しては、20Hz~40kHzの帯域でほぼ完ぺきに振動を遮断することに成功しました。
益々アナログ盤の音質が上がり、感動しました。ヘッドホンで聴くときのようなクリーンなサウンドです(ヘッドホンで聴くと、アコースティック・フィードバックがかからないので、クリーンな音になる)。音像はより明確になり、定位も正確になりました。

一方で、左チャンネルからハムノイズが出ているのが気になりました。何が原因か少し迷ったのですが、原因はPLX-1000にあることが分かりました。PLX-1000はMC型カートリッジを使うことを想定していないそうです。出力端子付近のシールドが不完全なため、MC型カートリッジ使用時にハムが混入するとのことです。
これには本当にがっかりしました。PLX-1000にそれ程こだわりや愛着があるわけではないので、買い替えを検討しました。

System configuration R2.0Component layout R2.0Audio rack AR-416 Air

 

Gaudi Rev.2.01 - 2017年7月

Gaudi Ver.2.01

ノイズが混入するパイオニアPLX-1000をやめ、発売から間もないテクニクスSL-1200GRに買い替えました。どちらもSL-1200の復刻版ですが、特にSL-1200が好きだというわけではありません。
選定理由については、ページ「メーカー製コンポーネント」をご覧ください。

1か月かけて評価したところ、音質面では期待通りでした。見た目や触った時の感触が安っぽいのが多少気になりますが、Gaudi II のコンポーネントに相応しいと判断し、今後も使い続けることにしました。

ハムノイズの問題が解消され、よりクリアで明快な音になりました。CD(正確にいえばCDクオリティの音楽ファイル)との音質差が広がり、これ以降音楽鑑賞には、もっぱらアナログ盤を聴くようになりました。
ただ、アナログ盤と言っても、アナログ録音のものにしか魅力を感じません。必然的に、古い演奏ばかり聴くことになります。新しい音楽に魅力を感じないわけではないのですが、音質的に私の耳に合わないと感じます。

Technics SL-1200GR

 

Gaudi Rev.2.02 - 2017年9月

ウーファー・アンプを、自作管球アンプの MA-201C からフライングモール社製D級アンプのDAD-M100proに変更しました。Gaudi II では真空管アンプは使用しないと決めたためです。

詳細は「Gaudi Rev.2.02」のページをご覧ください。

Gaudi Rev.2.03 - 2019年7月

テレビ兼モニターを Victor/JVC LT-37LH905 を SHARP AQUOS 4T-C43AM1 に変更しました。

詳細は「Gaudi Rev.2.03」のページをご覧ください。

Gaudi Rev.2.1 - 2021年9月

DAPのソニーHAP-Z1ESを、オリオスペック canarino Fils9 と ティアック UD-301-SP/S を中心とする PCオーディオに置き換えました。

詳細は「Gaudi Rev.2.1」のページをご覧ください。

 

Gaudi Rev.2.11 - 2022年2月

チャンネル・デバイダーとして、初めてメーカー製品(Behringer CX3400)を導入しました。
CX3400 の LOW DELAY 機能と、スピーカー SS-309A に追加したツィーター・ラックを用いて、タイムアライメント調整を行いました。

パワー・ディストリビューター(TASCAM AV-P250S)を導入し、パワーアンプの電源をスイッチ一つでオン・オフできるようにしました。パワー・ディストリビューターには、雑音を除去するフィルターが内蔵されていて、アンプにクリーンな電源を供給します。

詳細は「Gaudi Rev.2.11」のページをご覧ください。

Gaudi Rev.2.12 - 2022年5月

スコーカー・ドライバー、フォステックス D1405 の周波数特性が右肩下がりであることが、前レビジョンで問題になりました。システム設計(Ver.2.3)通りに、イコライザー機能付きのデジタル・チャンデバに買い替えることにしました。
dbx DriveRack VENU360 を選定しました。

VENU360 にはイコライザー機能の他にも、CX3400 にはない付加機能が多々あります。それらを活用して、より綿密なシステムレベル・チューニングを行いました。

詳細は「Gaudi Rev.2.12」のページをご覧ください。

Gaudi Rev.2.2 - 2023年5月

現在の Gaudi II です。

スピーカー SS-309A を、スコーカーの交換を含めて、改良を施しました(Rev.B)。SS-309B に合わせて、システムレベル・チューニングを行いました。

詳細は [システム製作]をご覧ください。


旧Gaudi (Ver.1) の履歴

参考までに、Gaudi II の前身である Gaudi (Ver.1) の履歴を紹介します。

[Gaudi の履歴]