とのちのオーディオ・ルームの看板     サイト マップ | English
ホーム Gaudi NOBODY プロフィール 雑記帳 メールとリンク
 ホーム > Gaudi > Gaudiサウンドの秘密 2013/08/11 作成
2015/01/19 更新

Gaudiサウンドの秘密

Gaudiには最高級のパーツを使っているわけでもないし(唯一スピーカーのミッドレンジ・ユニットはやや高価ですが)、最新のテクノロジーを駆使しているわけでもありません。何か凝った細工がしてあるわけでもないし、画期的な回路やメカを使用しているわけでもありません。使用しているパーツやコンポーネントは古いものが多く、中でもウーファー用アンプは1974年から使い続けています。その他にも1982年から使い続けているツィーターやレコード・プレーヤーなど枚挙にいとまがありません。ノーブランドの安物のパーツも結構使っています。スピーカー・ケーブルには、芯線が髪の毛よりちょっと太い程度の細い電線を使用しています。こんなGaudiがなぜハイエンド・システムに近い音を出せるのでしょうか?

私はその理由として、次の6項目を挙げたいと思います。

理由その1

その理由の第一は、Gaudiには大きな音質劣化要因がないということです。
通常のオーディオ・システムで最大の音質劣化要因は、スピーカーのLCネットワークです。LCネットワークは、インダクターとコンデンサーからなるパッシブ・フィルターです。アンプで電力増幅した後の信号を扱うのですから、パッシブ・フィルターにするしかありません。パッシブ・フィルターは、アクティブ・フィルターに比べて、急峻な減衰特性をえられませんし、負荷インピーダンスが変動すると特性が変化してしまいます。負荷であるボイス・コイル・インピーダンスは周波数により複雑に変化しますので、LCネットワークはどうしてもフィルターとしての性能が低いのです。ツィーターに低音が加わったり、ウーファーに高音が加わったりします。位相も複雑に変化します。
また、各ユニットの能率が同一でない場合、アッテネーターを能率の高いユニットに用いなければなりません。これも音質劣化要因となります。
さらに、LCネットワークはスピーカーのエンクロージャーに内蔵されます。従って、スピーカーからの振動がもろに伝わります。防振対策をしたところで焼け石に水で、完全に振動を遮断することは不可能です。一方、どんな電子部品もマイクロフォニック・ノイズを拾います。特にコンデンサーはマイクロフォンの素子に使われるぐらい、振動に敏感です。
LCネットワーク方式ではスピーカーは本来の実力を発揮できません。

フルレンジ一発のスピーカーを愛好する方は、よくフルレンジ一発のほうがマルチウェイよりも音の定位がよいといいます。しかし、それはLCネットワーク方式のマルチウェイ・スピーカーと比較しているからです。私がGaudiで経験した限り、マルチアンプ方式であれば、フルレンジ一発より定位は正確です。マルチアンプ方式のほうが、フルレンジ一発より中高音の歪が少なく、左右の位相がそろっているからだと思います。

様々なマイナーな欠点を持つGaudiですが、LCネットワークという大きな音質劣化要因がないことで、ハイエンドに近い音質を実現しているのです。

理由その2

第二の理由は、シンプルさです。私は常に「シンプル・イズ・ベスト」を心がけています。なくても良さそうなものは、なくしてしまうようにしています。

マルチアンプ方式自体はシンプルではありませんが、これは現在のスピーカーがその動作原理上、広帯域を低歪みで再生することができず、どうしてもマルチウェイにする必要があり、かつ前述のようにLCネットワークは音質劣化要因なので、マルチアンプ方式にせざるをえないのです。もし、真の意味でのフルレンジ・ユニット(25Hz〜40kHzをフラットに低歪みで再生できるユニット)が登場すれば、迷うことなくマルチアンプをやめてフルレンジ一発のシステムに変えます。

システム自体は大規模ですが、個々のコンポーネントやケーブル類は極力シンプルにしています。
例えば、プリアンプPA-210 Simplicityはその名の通り、徹底的にシンプル化し、コントロール機能はボリュームとセレクターだけです。回路も極力部品点数を減らす設計となっています。
また、チャンデバCD-211A A-NETには入出力のジャックがありません。ケーブルは内部の回路に直接半田付けして、引き出しています。どんな高価なプラグでも(むしろ高価なプラグほど)音質劣化要因になります。プラグはケーブルの両端につける必要はないので、CD-211A側は半田付けとしているのです。
スピーカーにも端子板などはつけていません。ケーブルはユニットに直接接続します。

理由その3

第三の理由は、余計なマージンを取っていないことです。マージンは大きいほど良いと考えられがちですが、私は「過ぎたるは及ばざるがごとし」だと考えています。

最も良い例はアンプの最大出力です。Gaudiのツィーター用アンプMA-208の最大出力が10Wですが、これで充分です。高能率のホーン型ツィーター用のアンプなので10Wでも大きすぎるぐらいです。出力を低めに抑えることにより、回路を簡素化でき、部品点数を減らし、また個々の部品の小型化ができます。それが高音質化につながります。

アンプの安定度は高ければ高いほどよい、というのが常識です。しかし、わたしはこれも「過ぎたるは及ばざるがごとし」と考えています。
MA-208に8Ω//0.47uFのダミー・ロードを接続し、方形波テストを行うと、オーバーシュートが発生します。これはMA-208の位相補正回路が微分式のみという簡素なものだからです。私はあえてこのオーバーシュートを抑え込もうとはしません。積分型位相補正回路を加えたり、補正回路を増やせば波形はきれいになるでしょうが、音は「死ぬ」と思います。
(2015/01/19 追記) {NOBODYの基準では、8Ω//4.7uFのダミー・ロードを用いた10kHz方形波テストで、オーバーシュートが方形波振幅の10%以内で、リンギングが1/4波長以内に収まればOKとしています。}
MA-208に実際につながる負荷はツィーターのみであり、LもCもRも接続されません。実際の容量負荷はケーブルとボイス・コイルの浮遊容量だけであり、せいぜい数百pF程度だと思います。ですから、オーバーシュートは実際には発生しないのです。必要のない補正回路はむしろないほうがよいのです。

Gaudiでは0.4mm単線という細い電線をスピーカー・ケーブルとして使用しています。一般には「スピーカー・ケーブルは太いほどよい」とされています。もしそれが真実だとすれば、Gaudiの音質は最低ということになります。しかし、実際にはGaudiの音質は優れています。つまり太いケーブルのほうがよいというのは単なる迷信です。芯線の太さには最適な値があり、それよりも太いと、かえって電流に乱れが生じ、歪が増してしまいます。

理由その4

第四の理由は、システム設計に従って各機器のスペックを決めているということです。各機器はメーカー製と同じ汎用的なスペックではなく、Gaudi専用のスペックとなっています。このことが上記のような徹底的なシンプル化と余計なマージンを持たせないことにつながっています。

理由その5

第五の理由は、システムの要であるスピーカーに原理的に優れた方式のユニットを使用しているということです。
Gaudiではホーン型のミッドレンジとツィーターを使用しています。私は超軽量の振動系を強力な磁気回路で駆動するホーン型が中高音域用のスピーカーには、最も優れた方式だと思います。ダイレクト・ラジエターと較べ、音の細部をより正確に再現できます。また、能率は極めて高く、パワーアンプやスピーカー・ケーブルの負担を軽減します。
ホーン・スピーカーはすっかりすたれてしまいましたが、それは音質の問題ではなく、コストが高いことと、マルチアンプ・システムでなければ本当の実力を発揮できないためです。

Gaudiのウーファーは30cm口径ですが、私はこのぐらい口径は必要だと思います。今主流の小口径ウーファーでは本物の低音は出ません。私はかつて(2008〜9年頃)、オーディオ・スクエア相模原店というオーディオ・ショップの常連だったことがあり、店頭にあるスピーカーのほとんどすべてを試聴させてもらったことがありますが、小口径ウーファーを使ったスピーカーでGaudiのように本物の低音を出せるスピーカーはひとつもありませんでした。どのスピーカーも宣伝文句だけは凄いのですが、やはり大口径ウーファーにはかなわないというのが現実です。

理由その6

(2014/08/01変更)
第六の理由は、Gaudiのシステム設計が理にかなったものであり、そのシステム設計を変えずに、過去40年間音質劣化要因を見つけ出しては、それをつぶすという地道な作業を積み重ねてきた結果、Gaudiサウンドは今のような高音質になったのだと思います。

確かに過去40年間には、様々な変化がありました。ホーン・スピーカーがすたれ、ドーム型が主流になったり、ウーファーが小型化し、それとともにエンクロージャーも小型化・スリム化されたりしてきました。CD、MD、DAT等のデジタル・メディアが登場したり、D級アンプが実用化されたり、カセット・テープがすたれて固体録音に置き換わったり、パソコンがオーディオ機器として使われるようになったり、おもにデジタル技術の進歩によりオーディオの世界も大きく変わりました。
しかし、これらの技術革新はもっぱらオーディオ機器の小型化、低価格化、利便性の向上に関するもので、音質向上につながるようなブレークスルーは多くはなかったと私は考えています。そのため、Gaudiのシステム設計を変更する必要性を感じたことが今までなかったのです。

例えば、Gaudiのミッドレンジとツィーターをドーム型に変えたり、ウーファーを小口径のものに換えれば、音質は向上するでしょうか? 私にはそうは思えません。

パワーアンプはD級のほうがリニア・アンプより優れているでしょうか? 答えはNoです。D級アンプは、能率が高く、超高音にも応答するホーン型スピーカーには使えないことが、すでに経験から明らかになっています(SS-309のページの「Rev. A」の項を参照のこと)。

CDやSACDはアナログ盤より高音質でしょうか? 私の耳には相変わらずアナログ盤のほうが良い音に聞こえます。Gaudiをアップグレードするたびに、なぜかますますアナログ盤のほうが良い音に聞こえるようになるから不思議です。

今Gaudiは完成に近づいていますが、完成後はすぐにGaudi IIのシステム設計に取り掛かる予定で、すでに検討は始めています。しかし、Gaudi IIもGaudiと似通ったシステムになる可能性があります。大口径ウーファーとホーン型ミッドレンジとツィーターを用いたマルチアンプ・システムを上回るシステムを、今のところ思いつかないからです。




このページの先頭に戻る