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 ホーム > Gaudi > 調整 2010/12/26 作成
2014/07/08 更新

Gaudi の調整

マルチアンプ・システムですので、各帯域のレベル調整を行う必要があります。ただつまみを回すだけで簡単そうですが、実はこれが非常に難しいのです。
マルチアンプの調整の仕方にはいくつかあります。結論から先にいうと、実際に色々な音楽を再生しながら、耳でバランスを確認し、少しずつ調整するのが、最も良い方法です。聴きなれたレコードやCDを片っ端からかけて調整します。なんだかんだで1ヶ月から2ヶ月ぐらいかかります。
最近、もう少し効率を上げる方法として、生録素材を使っています。つまり、家族や友人の声や楽器演奏を録音し、それを再生しながら調整するというやり方です。原音を知っているので、より確実にすばやく調整ができます。迷った時にはヘッドホンの音と聴き比べます。(使用機器: マイク:オーディオテクニカ AT822、レコーダー:TASCAM DR-1、ヘッドホン: オーディオテクニカ ATH-PRO700)

アンプに発振器を接続するなどして正弦波を再生し、それをマイクで拾い、VU計を見ながら調整する、つまり周波数特性を実際に測定し、フラットな特性になるように調整するのが一番確実で科学的なやり方のようですが、このやり方が一番駄目です。試しにやってみたのですが、聴感上全然フラットになりません。ミッドレンジがやたら張り出して聞こえ、ウーファーが鳴っていないかのような奇妙な音になってしまいました。(使用機器: 発振器 ケンウッド AG-203D、マイク: オーディオテクニカ AT822、レコーダー: TASCAM DR-1)
ちょうど調整が終わったところで、友人がたずねて来たので聴かせたところ、低音が全く聞こえない、定位が不安定など、酷評されてしまいました。
(2012/12/04加筆) {スピーカーSS-309のミッドレンジをホーン型(Fostex D1405+H400)に換えてからは、物理的にフラットな特性が聴感上もフラットに聞こえるようになりました。VU計による調整は、今では有効な手段になっています。最終的な微調整に関しては、やはり試聴を繰り返しながら行う必要がありますが、だいぶ手間が省けるようになりました。1週間ぐらいあれば、満足できる状態に調整できます。
耳で調整した後に再び測定をしてみたところ、やはりミッドレンジのレベルが若干低くなっていることがわかりました。フラットに調整すると、かなり攻撃的なサウンドになり、ミッドレンジを少し下げたほうが聴きやすくなるからです。アンプ Flying Mole DAD-M100pro とドライバーD1405の相性の問題や、ドライバーのエージング不足によるものと考えられます。
下図はGaudiの現時点での周波数特性です。リスニングポイントにマイクを置き、Gaudiで正弦波を再生し、それを録音しました。録音ファイルを波形編集ソフト(SoundEngine)で参照し、VU値をExcelファイルに入力し、グラフ化しました。かなりでこぼこした曲線になっています。部屋の音響特性に問題があるためです。アンプやスピーカーの調整や改良も必要ですが、それ以上に部屋の音響特性の改善が必要だとわかりました

Frequency response of Gaudi

SS-309 はマルチエンクロージャー型なので、各ユニットの位置関係(特に前後方向)を調整できます。ウーファーとミッドレンジのfc(クロスオーバー周波数)は720Hz、波長は約47cmであり、位置関係をあまり細かく調整する必要はありません。見栄えを良くするため、ウーファーのバッフルとミッドレンジのバッフルが面一になるようにします。
ミッドレンジとツィーターのfcは7200Hz、波長は約4.7cmと短いので、fc付近での位相をそろえるために、ツィーターの位置を正確に調整する必要があります。音楽を再生し、音場が最も広がり、音像がくっきりする位置に調整します。
(2012/12/04加筆) {ミッドレンジをホーン型に換えたため、各ユニットの位置関係は調整のし直しとなりました。まだ最適な位置を特定できていません。なお、下側のfは800Hzに変更しました

調整時によく使用するディスクを以下に紹介します。ほとんどはアナログ盤です。SACDはDSD録音のものがよいと思います。CDはめったに使いません。

ジャズ(コンボ)
Count Basie, Basie Jam (LP, Pablo APJ022) … 周波数バランスやチャンネル・バランスを総合的に確認するのに用います。また、ベイシーのオルガンの音が張りがあって、グンと前に出てくるような音であることを確認します。
Bill Evans Trio, Waltz for Debby (LP, Analog Productions APJ009) … 音場の奥行きを確認するのに用います。背景の話し声や食器の鳴る音も正確に再現できるように調整します。
ジャズ(ビッグバンド)
M. Sasaji & L.A. Allstars, バードランド (SACD, SGRL 614) … 思いっきり大音量で鳴らし、歪っぽさがないことを確認します。エレキベースやバスドラムの低音が単に音として聞こえるだけでなく、風圧を肌で感じられることを確認します。
ボーカル
Norah Jones, Feels Like Home (LP, Classic Records 7243 5 84800 16) … 人の声が人の声らしく聞こえるように調整します。主にツィーターの調整に用います。
クラシック(小品)
ヴラディーミル・アシュケナージ, 超絶技巧練習曲 アシュケナージ・リスト・リサイタル (LP, London KIJC 9206) …最も聴く機会の多い楽器であるピアノの独奏のディスクです。周波数バランスを調整するとともに、つやのある音が出るかどうか、ピアノの余韻に濁りがないかどうかを確認します。
クラシック(オーケストラ)
ズービン・メータ指揮ロス・アンジェルス・フィルハーモニック, Gustav Holst: THE PLANETS - suite (LP, Decca SXL 6529) … 音場の広がり、ハーモニーの心地よさ、ぐんぐん迫ってくるような迫力等をチェックします。
Anne-Sophie Mutter, Andre Previn, VPO, LSO, Violin Concerto - Tchaikovsky * Korngold (SACD, Deutshe Grammophon 472 8742) … 弦楽器の音に注目して調整を行います。バイオリンのソロパートでは、まさに目の前でバイオリンが演奏されているような雰囲気になれば成功です。
その他
鬼太鼓座, 鬼太鼓座(I) (CD, Victor VICG-5373) … 28Hzの超重低音が再現できるかどうか確認します。(2014/07/08加筆) {大太鼓の音が耳で聞こえるだけでなく、肌で風圧として感じられることを確認します。また、大太鼓の唸り音がビビることなく再現されることを確認します。Gaudiだけでなく、部屋の中の家具などもチェックし、共振によるビビり音が出ないことを確認します。} 低音の量感を左右するスピーカー・システムの設置位置の調整に利用します。
Test Record, How to Give Yourself a Stereo Check-out (LP, London SLA-6295) … テスト・レコードですので、インストラクションに沿ってチェックを行います。特に音像のまとまりや定位のチェックのためによく使用します。

具体的には次のような手順で調整を行います。

  1. ウーファーのみ鳴るようにし(マルチアンプ・システムでは簡単にできます)、ディスクを再生する。
  2. ウーファーのレベルを最大(0dB)にする。
  3. ミッドレンジ・アンプの電源を入れ、レベルを大きく振りながら(-30dB〜0dB)音色を確認する。徐々に振り幅を狭めていきながら最適なレベルを探る。
  4. ツィーター・アンプの電源を入れ、レベルを最小にする。
  5. ツィーターレベルを徐々に上げながら、自然な音に感じるところで固定する。
  6. ソースをモノラルのものに替える。
  7. ウーファーのみ鳴るようにし、チャンネル・バランスを調整する。
  8. ミッドレンジのみ鳴るようにし、チャンネル・バランスを調整する。
  9. ツィーターのみ鳴るようにし、チャンネル・バランスを調整する。

各ユニット毎にチャンネル・バランスを調整する作業は非常に大事です。これをきちんとやらないと音像がぼやけてしまいます。きっちり調整すると、フルレンジ一発よりも音像がまとまり、定位も良くなります。
(2012/12/06加筆) {チャンネル・バランスは完璧に調整しないほうがよいことがわかりました。Gaudiを設置している部屋は、左右非対称で、左側の反射が多く、定位が左側にずれる傾向があります。モノラル音源を中央に定位させるためには、左チャンネルのレベルを5〜6dB落とさなければなりません。しかし、そこまで落とすと音像がぼやけてしまうことがわかりました。アンプで補正できるのはせいぜい2〜3dBなのです。現在は下図のように、中央よりやや左側に定位させています。図中の枠線はステレオ再生時の音場を表わしていますが、左側は、スピーカーよりさらに左から音が聞こえてくるので、音場の広さは確保されています。音場全体が左にシフトしている感じです

Sound field of Gaudi



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